ハッピーエンド

メガネをかけた、細身でいかにも生徒会といった風体の男子生徒と、何か話している。



まじめに話していたかと思えば、突然ころりと笑う。



きっと彼女にとっては、生徒会の仕事が楽しいのだろう。



見ていると、それが良く分かる。



競技は進み、彼女は時に実況、時に落し物の報告など、ありとあらゆる放送をこなしていった。



凛とした声は変わらない。



僕は結局、同じクラスの生徒が僕の出場する騎馬戦がもう少しで始まるからと呼びに来るまで、ずっと彼女を見ていた。



それが、僕が彼女を初めて見た時のこと。



生徒会の人は大変だなという感想と、突然笑った彼女の笑顔が頭から離れない。



それから、廊下で何度か彼女を見た。



僕は当然、話しかけるなんてことはせずにいつも一人の通行人として彼女の側を通り抜ける。