ハッピーエンド

それが僕の、彼女に対する第一印象。



生徒がたくさんいたから、姿をはっきりとは見ていない。



けれど声を聞けば、すぐに分かると思った。



それだけ僕は、その声に魅せられてしまったのだ。



彼女の姿を見たのは、それからしばらくたって行われた運動会の時。



僕の高校では入学したての春に運動会、秋に体育祭をやる。



なんとも行事好きな高校だ。



彼女は先生や運動会実行委員の居るテントの中で、やはりその綺麗な声を活かし、放送を担当していた。



僕は彼女の姿が一目見たくて、テントを覗きに行ったのだ。



ちょっと覗くだけ。



興味本位でテントの中を覗く生徒なんて山ほど居る。



別に禁止されているわけではない。