ラムネアイス10個分。
荷物が軽くなって、僕は美和子さんのアパートを後にする。
あっという間の出来事だったが、いつものことなのでさしてへこみはしない。
始めから新田先輩が美和子さんのアパートに居るだろうことは予想が付いていたし、すぐに追い払われるのもしかり。
袋の重みで赤く痕が付いてしまった右手が、まだ熱を持ってジンジンしているから、どれだけ性急に追い返されたのかが分かる。
そんなに焦って追い返さなくとも、美和子さんは新田先輩のことしか見ていない。
僕のことは精々良く話をする後輩、ぐらいにしか思っていないだろう。
まとわり付くような熱気の中を、僕は一人で歩く。
夏場の夜はいつもこうで気分が滅入るが、今日は月が思いの他綺麗だ。
辺りに余計な街灯が無いせいだろう。
荷物が軽くなって、僕は美和子さんのアパートを後にする。
あっという間の出来事だったが、いつものことなのでさしてへこみはしない。
始めから新田先輩が美和子さんのアパートに居るだろうことは予想が付いていたし、すぐに追い払われるのもしかり。
袋の重みで赤く痕が付いてしまった右手が、まだ熱を持ってジンジンしているから、どれだけ性急に追い返されたのかが分かる。
そんなに焦って追い返さなくとも、美和子さんは新田先輩のことしか見ていない。
僕のことは精々良く話をする後輩、ぐらいにしか思っていないだろう。
まとわり付くような熱気の中を、僕は一人で歩く。
夏場の夜はいつもこうで気分が滅入るが、今日は月が思いの他綺麗だ。
辺りに余計な街灯が無いせいだろう。

