ハッピーエンド

僕に聞くな。



大きな声を出すな。



恥ずかしい。



「さっきは待つって言いましたけど、あんまり情けないと他の男の人のところへ行っちゃうかも?」



「どこにでも行けよ」



「余裕ですねー。希有子ちゃん人生初のモテ期が到来していることも知らずに、笑っていられるのは今の内ですよ?」



「はいはい」



「信じてないですねー?バイト先の男の子が、なんか希有子のこと好きっぽいんですよ」



「おじさん、ラムネアイス10個テイクアウトで」



「無視ですか」



立ち上がり、希有子の頭をポンポンと撫でる。



「気を遣わせて悪かったな」



「何のことです?」