ハッピーエンド

食べるとそれは冷たくて、ほんのり甘く舌の上で溶けた。



待つ。



そんな考え方、僕には無かったよ。



しばらく無言でアイスをつつき合う。



どうにも、こんな空気は苦手だな。



「それにしても希有子」



やっぱり僕は、君とはいつも通り。



「なんです?」



「よく恥ずかしげも無くそんなことが言えるな」



冗談とか、けなし合いとか。



そんなことが気兼ねなく出来るのがいい。



キョトンとする希有子。



その顔は、いつもの童顔に戻っていた。



「だって、何回目の告白です?初めは数えてましたけど、もう数えるの諦めました」