ハッピーエンド

僕を応援したってなんの得も無いのに。



もしも君が、いつも僕に言っている言葉が本当だとしたらなおさら。



君にとっては得どころか損をするばかりだ。



「僕の記憶が正しければ、君は僕のこと、好きなんじゃないのかい？」



それも、高校のときから、ずっと。



高梨先輩しか見てなかった僕を、切ないほど健気に。



僕はたまらなくなって、そう問う。



「好きですよ。大好きです」



彼女は、にっこり笑う。



「でもそれもまた、先輩にはあんまり関係のないことですよ。先輩が誰のことを好きだろうと希有子は先輩が好きですし、そりゃあ両思いになったら素敵ですけど、高梨先輩との関係がどうにかならない限り、希有子に入り込める隙間が無いのも十分、分かっていますから」



だから。