ハッピーエンド

浪人したという訳だ。



浪人の動機が不純であるので、あまり人には言いたくない。



そのせいで新田先輩は三年生、美和子さんは二年生、僕と希有子は一年生としてこの大学に通っている。



希有子は現役で合格しているので僕と同学年。



ちなみに美和子さんのために言っておくと、美和子さんは新田先輩を追いかけるために浪人したわけではない。



もしそうなら前期後期と両方受けるはずである。



それもまた、たまたま。



だが、希有子の場合は完全に―――………。



ふと隣で黙り込む希有子の顔を見る。



何を考えているのかは分からない。



中学生みたいな容姿に変わりは無いが、なんだかひどく、大人びて別人のように見える。



最近髪の毛を切った。