ハッピーエンド

頬を膨らましてそっぽを向く。



「浪人は、たまたまだよ」



そう、たまたま。



僕が受験期の時、僕より一つ学年が上の美和子さんは一浪していた。



僕は美和子さんの受ける大学を色々聞きまわってやっと知り、前期で同じ公立の大学を受けたのだが、美和子さんは落ちてしまった。



けれど何を間違ったか、せっかく美和子さんが受けるからと受けていた、さしてその大学に行きたくもない僕がその大学に前期で受かってしまったのだ。



前期とは違う大学、すなわち僕らが今通っている大学には後期での合格。



前期に国公立に受かってしまった場合、後期は受けられない。



そこで僕と美和子さんは同じ大学に同じ学年として通うことはどうやっても出来なくなってしまったのだが、美和子さんが居ないのならそんな大学通う価値無しと判断して合格を辞退。