ハッピーエンド

なんせこの子、馬鹿正直であったこと全て僕に話すのである。



自分のことを話すのはいいが、僕自身のことについても話していないのに知っていたりするからちょっと怖い。



つけられていたりするのかな?



なんて、案外普通にありえそうな想像に身震いする。



「随分新田先輩の肩を持ちますね。恋敵の癖に」



ため息混じりの希有子の言葉に僕はむ、と言葉に詰まる。



「新田先輩は真っ直ぐですから。恥も外聞も気にせずに、高梨先輩に近づく男は例え後輩であっても許しません」



食べるのをあきらめたのか、箸を置いてジト目で睨む。



うちの大学には、僕が把握している生徒の中でもう一人、同じ高校出身の生徒が居るのだ。



「柏木先輩が高梨先輩になかなか近づけないのも、新田先輩の存在のせいじゃないですか?」