ハッピーエンド

「ジュース一杯で何時間も粘る人たちが居るんですよ。特に二階席。3テーブルだけちょっと他とは区切られた、個室みたいになっているところがありましてね」



何故かうちの大学周辺にはファミレスが無い。



ドリンクバーならともかく、ジュース一杯で粘るとはなかなかの猛者だ。



「新田先輩とその一味がよく利用します」



顔を歪める希有子。



地獄ラーメンのせいもあるだろうが、それだけではないらしい。



でも、なるほど。



新田先輩ならやりかねない。



常々希有子は新田先輩に風当たりが厳しいと思っていたが、こういうところが嫌なのか?



「まあ、新田先輩の場合、悪気は無いと思うよ。それに一度迷惑だって言えば絶対に同じことを繰り返さないし」



真っ直ぐと一本筋が通っていて、良いものは良い。