これは多分、僕の記憶にはない映像だ。



けれど、僕の記憶が正しければ、何度となく反芻された光景。



登場人物は、彼女と僕のたった二人。



なんの為にもならないけれど、僕にとっては必要不可欠。



二人で織り成す物語。



いや、これは僕だけの一人芝居なのかもしれない。



彼女はただ、僕の言うとおり動いているだけのお人形さん。



分かってる。



ずっと前から分かっていた。



分かっているから。



だから何も言わないで、僕の芝居に付き合ってくれ。



いつ終わるか分からないけれど、きっといつかは終わらせるから。



さてさて、今日も始まり始まり。



一人芝居の始まりだよ。





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始まりはいつも同じ。





終わりはいつも違うけれど。