心のキョリは1センチ

私は疲れていたので、ソファーでぐったり。


佐藤くん、服部くん、咲ちゃんは
3人でトランプを始めた。

「んーじゃあ、負けた人はバツゲームね。」


服部くんは、トランプをきりながら
無邪気に言う。


「服部くん、絶対負けるよ!!」

佐藤くんも楽しそうだった。


「バツゲームってなにするの?」

咲ちゃんは、眠そうに言う。


珍しいメンバーだが、3人の会話を聞いてると自然と笑みがこぼれた。



ソファーで、ボーっとしていたら、誰かが近づいてくるのが分かった。


「葵ちゃん、一緒にトランプやらないの!?
ほら、こっちおいで。」



見上げた先にいたのは、無邪気に笑いながら頭を撫でてくる服部くんだった。


「えっ…」


思わず目が止まった。

この日初めて喋った。

初めてちゃんと目を見た。


背が高くて、髪は茶色。

真っ直ぐな瞳…。


とにかく、かっこよかった。


どきどきして、
胸が苦しくなるのが分かった。