「今頃、コンクリートに顔をぶってわんわん泣きになってないのは、誰のおかげだよ?」 『……っ!』 そう耳に囁くように言われれば、誰だって顔は赤くなるのは当然 勿論、私だって論外なんかじゃない 密着して、腰に腕を回されて、尚且つ耳元で話されたらたまったものじゃない 「……って、おい!」 腰に回されている腕の力が、少し弱まったのを見逃さず ひょいっと抜け出した