勝手なこと言わないでよ。 え? 柳くんは走れるからそう言えるんだよ。 柳くんの手を無理やり車椅子から離させ、 とにかく柳くんがいない方へ必死で走った。 ふと車椅子を止めると、自分の頬が濡れているのに気づいた。 私は初めて、事故のあと、泣いた。 はっと後ろを振り返ると、柳くんと全然離れてなかった。