―――こよりside
お隣に越してきた恭ちゃん。
エレベーターで私を救ってくれてから私は恭ちゃんにふぉーりんらぶ。
それから何日か考え込んで、やっぱり恭ちゃんが好きだってわかった。
「スゴく胸が高鳴るの!!こんなの初めてだよ!私、恭ちゃんが好きみたい!!」
そして今日から何日か、友達の陽菜と、巳波、陸斗を呼び、部屋で語ることにした。
「ねぇ、こより?きっとそれ、恋と勘違いしてるだけよ?」
「そーだよ、だって相手は三十路超えでしょ?いくら何でも…」
陽菜と巳波は反対のようだ。
「三十路超えじゃない。年の差とかの山を越える、つまり“三十路越え”だ!!」
「わけわかんねーこと言ってんなよ。だいたいお前の親父が許さねーだろ?」
ここで親父の話を出すか陸斗め…
「親父は関係ない。これは私の意志だよ!それに、恭ちゃんイケメンだし…うふふ、うふふふっ!」
そう、恭ちゃんは若く見えるわけではないが、顔立ちは悪くない。いや、むしろいい方だ。
あーやってけだるそうにしていなければ普通にかっこいい。
「こよりの話じゃそーらしいけどさ、ホントにイケメンなの?ならなんでまだ独身なの?」
「私も思った。ねぇ、その恭ちゃんって人見たくない?」
「お、見たい見たい!みんなで押しかけようぜ!」
どんどん進んでいく話についていけない。
そしてどんどん心臓がうるさくなっていく。
「恭ちゃんに迷惑かけちゃだめだよっ!!しかもまだ帰ってきてないよ!」
「何真っ赤になってんの…。しかも今日日曜日なんだから休みでしょ」
「よっしゃ、レッツごー!」
「あわわわわ…」

