それから30超えたおっさんと女子高生社長令嬢のおかしな関係性がうまれたわけだ。
そしていろんな話を聞いた。
会社を継ぐのはお兄さんだとか、
金持ちなのに普通の都立高校に通ってるとか、
社長の奥さんは元モデルだとか、
今は他界しているとか。
お互いの呼び方も変わり、確実に仲良くなっていた。
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今日も勤務を終え、マンションに戻る。
「あっ、恭ちゃん!」
エレベーターを待ってると、ちょうどこよりと一緒になった。
「おぉ、おかえり。遅いんだな」
「ん、今日は親父に呼ばれてた。アイツ私に男の影があるとか勘違いして怒鳴ってきたんだよ」
……あれ?
こんな可愛いのに、彼氏いないの?
いまどきの男子高生はどこを見ているのだろうか。
そんなこと考えてるうちに、目的の階につく。
「ついたぞ。…こより?」
ドアが開いても動かないこよりを不審に思い、声をかける。
「えっ、あっ、うわっ!?」
「こより!?」
俺の声に気づいたこよりが、出ようとした瞬間、ドアがしまりかける。
ガツンッ
「っ……きょ、恭ちゃん!?」
こよりを庇うため、腕を犠牲に。
そのままこよりを覆うように立つ。
「大丈夫か?ったく、ぼーっとしてんじゃねーよ……こより?」
「ふぉーりんらぶっ!!」
「は?」

