キミ色

「ふーん。」


当然のように俺の言葉を信じていく時雨。
当たり前だ、、俺がそう口にしたんだから。


また、偽りの言葉が1つ増えていく…



クーラーが利いてきたのか、部屋がだいぶ涼しくなってきた。
丁度良い温度が俺達を包む。



俺は台所に戻り、続きを食べ始めた。
やっぱり、出されたものを食べないのはどうしても罪悪感が残ってしまうからだ。


それと…


昨日、初めて空羽と一緒に夕食を食べなかった…
蓮を家まで送ってから家に帰ると、既にもう10時をまわっていて、空羽はお風呂に入っていたからだ。



空羽が作ってくれていた夕食を初めて1人で食べるのは、やっぱり孤独で少し寂しかった。
空羽が来る前まではそれが当たり前だったのに、急に寂しく感じてしまう心。



俺は、空羽と決めた最初の約束を破ってしまった。
そのことでも、少し罪悪感が募っていた…



空羽が来たことで人の優しさに触れることが確実に増えてしまった。
やっぱり人は、1度人の優しさに触れてしまうと孤独に戻れなくなるんだ…


1度でも優しさに触れてしまうと、もう1人には戻れない。
体にも心にも…、極度な寂しさと極度な孤独感が襲う。



そんな事、1番分かってるはずだったのに─……。