キミ色

いつものように笑い合う2人。
夜の公園には、俺と蓮の笑い声と聡クンの無邪気な声が響いていた。



線香花火を見つめる2人。
2人とも一言も話さず、線香花火を見続ける。



「やっぱり、櫂に言ってよかった…」



その言葉を境に俺の花火は地面に落ちてしまった。
蓮の言葉に呆然としてしまった俺は、蓮の顔を見た。


「え?」


蓮はそんな俺を見てまた意地悪そうに笑った。


「櫂の負け!!本当にいっつも、櫂は弱いよね!!」


「…っだって!おま……」
「覚えてる?去年もこうやって花火したの。」



俺の声に自分の声を重ねてきたその声は大きかった。
一瞬で儚い表情に変わった蓮の顔。
俺はその表情を見逃さなかった。



「当たり前だろ。覚えてるよ」


「その時も勝負したよね。でも、やっぱり櫂は弱くて、すぐに負けちゃうの」



「だって、お前の方がいっつも後に火点けんじゃんかよ?」



「っはは、確かにそうだね」