キミ色

一番悪いタイミングで帰ってきてしまった空羽は、リビングに入ってくるなりびっくりした表情でスーパーの袋を手から放してしまった。



《パリンッ…》



何かが割れたような音がリビングに鳴り響いた。
俺と時雨が暴れたせいで、見るも無残な状況になっている。



「…何があったの?」


何故か涙目になっている空羽は、座り込んでいる俺達の目の前に走ってきた。



「ねぇ、空羽ちゃん、、」


「なに?」


「空羽ちゃんはここに住んでるの?」



「うん、、、でも、本当に何もないよ?ただ、住ませてもらってるだけで、生活は全く別だし唯一一緒なのはご飯ぐらいで…」




「本当なのかよ?」



時雨は虚ろな目をして俺の方を見てくる。
俺は視線をそらしゆっくりと答えた。




「俺と空羽は…、いとこ同士だよ」



「…いとこ?」




「そう。4月のはじめに、おばちゃん達が空羽をこっちに送ってきた。だから仕方なく俺の部屋に入れることになっただけだよ。」