キミ色

その子は透明に透き通っている肌をワンピースで包み、可愛い水玉のミュールを履いていた。



俺を見つけると、太陽のように元気な笑顔を見せ、走って目の前までやってきた。
そして、君は俺にこう言ったんだ。




『はじめまして、永城花音です』



くったくのない可愛い笑顔で、君はそう言った。



これが、俺と花音の最初の出会いだった。
嵐のように突然家にやってきて、家族の中では太陽のような存在になり、花音はみんなに愛されていた。



親が嫌いだった俺とは正反対に、花音は本当の親でもないのにお父さんの事を凄く慕っていた。



それからだった。
俺の生活はがらりと変わってしまった。


今まで、ずっと家で絵を描いていた俺を花音は外に連れ出すようになった。
まるで鳥篭から鳥を逃がすように、俺は空に飛び出した。



花音は無邪気で公園にいる誰とでもすぐに打ち解けていった。
勿論、時雨とも。



俺は花音と時雨の後ろにいつもちょこんとついて周り、花音たちの行動を見て笑う。
そんなことの繰り返しをしていた。



初め、俺は花音のことも軽蔑していたが序々に慣れていくとすぐに心を開けるようになった。