キミ色

全て分かり切っていたかのような空羽の目。
自信に満ちた表情も…




あいつ、なんであんなこと俺に…。





…もしかして、何か確信を持てるような何かを知ってるの?



だったら、一体何だ?
俺の知らない何かって…




気になる…
モヤモヤする…





気がついた時には、お母さんを通り抜け玄関に向かっていた。




空羽は俺の知らない何かを知ってる…―?





「っちょっと!櫂くん!?」




家を跳びだした俺に声が届く。
でも、今はそんな言葉も無意味だった。




知りたい…
何を知ってるの?




俺の知らない花音の一体何を…?




逸る気持ちだけが空回りする。
走り出す足は行き先なんてなかった。



少し外を走るだけで想い出が広がる。
道、街並、公園、川…




3人で当たり前のように遊んでた。
それが崩れるなんて、知る由もなく…。