キミ色

「…あの部屋だけは、やめて。」



その言葉を空羽にぶつけ、ゆっくり自分の部屋の扉をひいた。




「…なんで!?」



扉を閉め切る前に空羽が声を発した。
一瞬びくっと震え、レモンティーが激しく揺れる。




…なんで?
だと?




「どうして櫂がそんなこと決めちゃうの!?」




1番触れてほしくないことを空羽は堂々と俺に向かって放った。



まるで何も解っていない小さな子供のように。




「なんだよ…それ。」




なんなんだよ…




「だって、そうでしょ!?花音ちゃんはそれを望んでないかもしれない。」




望んでない?
馬鹿言うな。
そんな訳ない。




「花音は俺と時雨以外誰1人として部屋に入れなかったんだ!!適当なこと言うなよ!!」





俺の怒鳴り声が廊下中に響く。
1階から見上げていた空羽が俺をしっかりと見つめていた。