キミ色

「お邪魔しまーす。」



次の日、本当に空羽達はうちに来た。



うちに来ただけでもびっくりなのに、千鶴さんのお腹が大きくなっていたのには本当に度肝をぬかれた…




「…もしかして、いるの?」



入ってきた千鶴さんのお腹を見て思わずそう言ってしまった。



「うん…」




少し照れたようにそう言うと、千鶴さんはゆっくりとソファに腰をおろした。



その様子を心配するように見つめる空羽。
その姿は、マンションにいる時の空羽とは別人に見えた。




「久しぶりね、櫂くん。」



「どうも…」



他愛もない言葉がかけられる。
俺はゆっくりと冷蔵庫に近づいた。




「空羽がお世話になっちゃって…ごめんなさいね。」




その言葉はもっと早くに言って欲しかったよ。
今頃言われても…



「いえ…」



としか言えない。




俺はレモンティーを作ると、そのコップを持って扉に移動した。



「本当にありがとう。」



「ごゆっくりと。」



無理矢理笑顔を作りその言葉を言うと、リビングを出て行った。