キミ色

「はぁ…」



ため息しか出ない。
まさか、枯らしてしまうなんて残酷すぎるし…




「華道部の人で家近い人とかに頼んだら?」



「こんなに多くの鉢持っていけないよ。」



「何で持ってくんだよ?来てもらえばいいじゃん。」



「空羽が櫂と住んでることは、みんなには内緒だよ…」




………そっか。
そう決めたのは俺だった…



でも…、ってことは…



「俺たちのこと知ってる奴しか無理ってこと…?」




「…もう、仕方ないからお別れしようかな…」



悲しそうに花を見つめる空羽。
そんな表情をされたら、こっちが罪悪感を感じる…



どうにかしてあげたいけど、流石にどうすることも出来ない…




「空羽、お花公園に植えてくる。」



公園に…?



「何で、公園?」



「公園だったら、見つけてくれた誰かが水をあげてくれるかもしれない。」