キミ色

「そしたら、突然空羽の前に現れた花音ちゃんに言われたの。
部屋にいてもあたしが太陽になるから、って。これで空羽ちゃんも皆と一緒だよって。」



空羽は笑って空を見続ける。
そんな空羽の右手を俺は握りしめた。



花音の話をされると、どうしても心細くて…
怖くて…
そうせずにはいられなかった。



花音の言葉がいかにも花音らしくて…
目の前に花音の残像が浮かんでくるかのようだった。




「櫂…?」


「…ん?」


「手、震えてるよ?」


「空羽の手が震えてんだろ?」



「絶対櫂だよ。」


「お前だっつの。」



精一杯の強がりだった…。
本当は腕からめちゃくちゃ震えてたんだ。



「嘘つき。」




そう言いながらも、空羽の声だって震えていた。




その空羽の想いが痛いほど胸に響く。
キリキリと痛んでいた…