キミ色

少しずつ目頭が熱くなってくる。



やばい…泣きそうだ。



あの日に枯らしたはずなのに…
な…ん…で……?



想った瞬間に夜風が俺の泪を運んでいった。
夜の匂いとともに運ばれていく雫…



そんな雫の行方をずっと眺めていた。
目には泪を溜めながら…



久しぶりにこんなにも心を花音で染めた…



ずっと考えないようにして、できるだけ忘れるように努力もしてた。
だから…



花音をこんなに想う夜はあの中3以来、初めてかもしれない。



花音…
俺、最低なやつになっちゃったよ…



今の俺を見たら、花音は怒るかな…?



あの時みたいに、頬を膨らませて怒る…?



あの時はさ、凄い嫌いだったけど…
凄い大嫌いだったけど…



でも…、今なら…



今なら…、むしろ怒ってほしいよ……





…花音……──逢いたい──