キミ色

暗くなった夜道を1人でとぼとぼと歩く。
ゆっくり歩いていたせいか、家に着く頃にはもう夜になっていた。



両手に持っているビニール袋が重く感じられて仕方ない…



上野先輩と別れてから力が入らない。
何もやる気が起きない…



雨にうたれた服が俺を余計に不自由にしていた。



俺…どうしたらよかったかな?



玄関の前でふと足を止めて、月を見上げた。



まるで俺をあざ笑うかのように光る月は何も教えてはくれない…



ただただ光るそんな月を見てると、一気に寂しさに襲われた。



苦しい…
でも、それ以上にもっと寂しいよ……



誰かに温めて欲しかった。
きっとそれを求めてたんだ。



花音に逢いたい…



花音に逢わせてよ……─



ねぇ、キミは今どこで何をしてるの…?



俺は…、只管花音を求めてるよ…