キミ色

慌てて携帯を開けて相手の名前を確認する。
真っ暗な部屋の中で俺の携帯が光を放ち出す。



やだ…って…。
一体、誰が…?



ぱっと見たその画面には、2つの漢字が並べられていた。



《着信 空羽》



手の中で震える携帯が繋いでいたのは、キミ。
俺の声をずっと待っていたのは、キミだった…



……空羽…



俺は、咄嗟に蓮の方を向いた。
俯いたまま泪を流し続ける蓮は、もう俺の目を見ない。



その時、また大きな稲妻が空から落ちた…



まるで、何かを悟ったかのように───……




俺はゆっくりと通話のボタンを押した。
そして、携帯を耳に近づけると必死な声が電話の向こうから聞こえてきた。



《…っ櫂…っ櫂……っ助けて──……》



「…空羽?どうした?落ち着け、大丈夫か?」



《………櫂……──》



「おい、空羽!なんか答えろよ!?空羽!…空羽!?」



何で、何も言わないんだよ…?
今、何が起こってる…?