キミ色

もう…、蓮は友達としてしか見れない…



蓮の家までの道を3人で喋りながら歩いていく。
今までと全く変わらないこのくだらない会話が余計に辛かった。



こんな風に笑ってる蓮や聡君から…
きっと笑顔を奪ってしまう…



早く時間が経って欲しくて、何度も時計を確認していた。



でも、見れば見るほど時間は進まなくて。
そんな携帯を八つ当たりしてしまいそうになる…



もう…、蓮といるのは辛すぎるから…



早く、早く…



一刻でも早く蓮と聡君から離れたかった…。




「あ、そーだ櫂!!みてみて?!!」



………?



歩いてる途中で急にそう言うと、聡君はポケットの中からあるモノを取り出して、俺に最高の笑顔でこう言った。



「かっこいいでしょ!!!!?」



そのあまりに輝いた笑顔に聡君の手の方を見ると、そこには懐かしいモノがあった。




「……手裏剣…?」



そう目の前に映ったのは、折り紙で出来た白黒の手裏剣だった。