キミ色

「ありがとうございました。」



蓮は先生に向かい頭を下げると、聡君をいつものように促した。
それに気づいた聡君が先生に声をかける。



「さようなら、先生!!」


「さようなら、聡君。また明日ね?」



笑顔で先生も別れを告げる。



いつもと何も変わらなかった。
ただ、いつもより少し風と雨が強いだけ…



それなのに…
俺だけかな…?



いつもより数倍空気が凍っているような気がしたんだ─……




「今日はどんなことしたの?」



「今日はねー、お絵かきと、あと鬼ごっこしたよぉ!!」



「そっか。楽しかった?」



「うん!!明日もやりたい!!」




楽しそうにそう喋る聡君は、とても愛らしい。
そんな聡君を見て穏やかな表情になる蓮も…



でも…



もう…、“愛しい”とは…感じれないんだ……──