キミ色

これは…蓮の願い?
蓮の願望…?


もしそうだったら、俺は…嬉しいよ。
だけど…、



だけど……



それ以上に…、もっともっと苦しいよ───……




胸をキュッと締め付ける想いが今にも溢れ出してしまいそうになるぐらい心が痛いよ…



ズキンッ…ズキンッ…



って、心の音がまるで聴こえてくるかのように…



胸を占領するこの想いが…
辛くて、苦しくて…



心が張り裂けてしまいそうになる……──



「やばい…感動して涙止まんないよ。」




映画が終わり部屋を出ると、蓮は目に涙をいっぱい溜めてそう言い少し笑いながら俺を見た。
そんな蓮を見て、俺の胸はまた痛んでいた…




「あ、あたしパンフレット買ってくるね。」




蓮はそう言って俺の手を放すと、人で溢れているグッズ売り場へと入って行った。
1人ぽつんと残された俺は、蓮の手を握っていた右手を見つめていた…。