………?
「ごめんごめん、ここで“桐生さん”なんて呼ばれないから気づかなかった。それお願い出来る?」
恥ずかしそうにそう言って桐生さんはまた手を動かし始めた。
「俺、ここでは“お兄(オニィ)”って呼ばれてるんだ。美波さんよりも年上だしね…」
お兄…
でも、何となく解るような気がする。
この落ち着いた雰囲気とかも、確かにお兄さんって感じだし。
桐生さんにとてもお似合いだ。
「そうなんすか。」
「だから、さっき槻丘くんに紹介された時、美波さんに“桐生”って紹介されて、一瞬戸惑った。」
また、恥ずかしそうに笑う桐生さん。
本当に平穏な感じの笑い顔は、どこか落ち着かせてくれる。
桐生さんの隣に並び、俺もキャベツを切り始める。
キャベツを切るなんて何ヶ月ぶりだろう。
朝ご飯は空羽が置いててくれるし、昼ご飯は学食のおばちゃんが作ってくれる、夜は蓮が手料理をふるってくれるから…。
一人暮らしをしていても結局俺は料理をしないから、包丁を持つのが懐かしく思えて仕方がない。
軽快に動き出す包丁。
自分が思っていたより意外とリズム良く進んで行く。
一番初めに持った時は、最初から器用だった時雨に比べ不器用すぎた俺は全く上手く切れなかったな…。
本当に何やらせても、あいつは完璧にこなしていってた。
「ごめんごめん、ここで“桐生さん”なんて呼ばれないから気づかなかった。それお願い出来る?」
恥ずかしそうにそう言って桐生さんはまた手を動かし始めた。
「俺、ここでは“お兄(オニィ)”って呼ばれてるんだ。美波さんよりも年上だしね…」
お兄…
でも、何となく解るような気がする。
この落ち着いた雰囲気とかも、確かにお兄さんって感じだし。
桐生さんにとてもお似合いだ。
「そうなんすか。」
「だから、さっき槻丘くんに紹介された時、美波さんに“桐生”って紹介されて、一瞬戸惑った。」
また、恥ずかしそうに笑う桐生さん。
本当に平穏な感じの笑い顔は、どこか落ち着かせてくれる。
桐生さんの隣に並び、俺もキャベツを切り始める。
キャベツを切るなんて何ヶ月ぶりだろう。
朝ご飯は空羽が置いててくれるし、昼ご飯は学食のおばちゃんが作ってくれる、夜は蓮が手料理をふるってくれるから…。
一人暮らしをしていても結局俺は料理をしないから、包丁を持つのが懐かしく思えて仕方がない。
軽快に動き出す包丁。
自分が思っていたより意外とリズム良く進んで行く。
一番初めに持った時は、最初から器用だった時雨に比べ不器用すぎた俺は全く上手く切れなかったな…。
本当に何やらせても、あいつは完璧にこなしていってた。

