次の時間になり俺は若菜ちゃんを教室の前まで連れて行った。
とりあえずは落ち着いているのか、いつもの若菜ちゃんに戻っている。



「ありがと、こんなとこまで送ってくれて…。なんか、悪いな。」


「俺が勝手にやったことだし…、本当に大丈夫?」



俺がそう言うと若菜ちゃんは小さく頷いた。
その表情を見て俺も頷くと背を向け、自分の教室へと向かっていった。



若菜ちゃん…



言葉に出来ない思いを噛み締め教室に入ると、いつもの風景が広がっていた。
10分の休憩時間を寝たまま過ごす奴、友達と喋る奴、宿題をやってる奴。



いつもと何も変わらない。
そう、俺の心と今いない2人意外は…



ゆっくり席に座ると、俺は鞄を机に置きその鞄の上に頭を置いた。
そして目を瞑ると、俺の視界は瞬時に暗闇と化した。



真っ暗…
どこを見ても、黒一色。



その黒にいつか吸い込まれてしまいそうだ。
今の俺の心になど、きっと意志などないから…



はぁ…



出てくるのはタメ息ばかりだ。
まるで心の中をタメ息で埋めていくように…