キミ色

欲しくて欲しくて堪らなくて…、自分の掌の中に掴んでおきたくて仕方がなかった…。



でも、そんなこと口が裂けても言えなかった…
言ってしまったら、俺は一気に友情を潰してしまうことになったから─…



弱かったから…、最強に臆病だったから…。
3人の仲を潰すような行動なんて出来るはずがなかった─…
だから、自分で自分自身の想いを無理矢理潰した。



純粋に出来ていっていたハート型の心を、粉々になるまで壊し続けた…
でも、距離をとろうとする自分と比例するように想いは募ってしまう…



どれだけ潰しても、粉々にしても、また心を作ろうとしてしまう─…



それでも、日常は何事もなかったかのように回り続けた…。
3人の仲も変わらなかった。


どれだけ苦しくても、辛くても…、我慢し続けた─…。
絶対に自分の気持ちを悟られたくなくて…。



俺さえ何も言わなければ、この日常が変わることなど絶対にない。
太陽の花音がいて、面白い時雨がいて…



そんな輪の中に俺がいる。
最高だった…
最高なハズだった…



俺の欲望さえなければ…。
俺の嫉妬さえなければ…。



やっぱり世界は俺の想っているように動いてはくれなくて…
どんどん心に嘘をつけなくなっていった…




募る想いはどうしても消えてはくれなくて、途方に暮れてしまった子供のように行き場をなくした心は確かに温かさを求めていた…
空気のように通り抜けていってしまう花音を、いつか包み込みたかった…。