キミ色

時雨が一番花音のことは、知られたくないんじゃないのかよ…


どうして、俺が想っているように世界は周らないのだろう?
俺は、こんな未来を望んでる訳じゃない…


蓮がこのことを知らないといけない理由があるか?
ないだろ?
なのに、何でわざわざ言っちゃうんだよ…



時雨の行動が理解できない。
俺を苦しめて、どうしたいの?


ねぇ、時雨…どうして?



「櫂、お願い時雨を責めないで、聴いたのあたしなんだ。」



蓮もだよ…、どうして聴いちゃうの。
俺の過去なんて…、、ほっといて欲しかった…。



「…櫂、あたしね知りたかったの。いっつも櫂が空を見上げる理由を…」


「─……」



「あたし怖かったんだ…、空にいるそのヒトに、櫂を奪われちゃいそうで…。そのヒトにはどんだけ頑張っても勝てないような気がして─…。」



そう言って蓮は空を眺めた。


違うよ…蓮。



俺が見てるのは、この空じゃない。
こんなに広い空じゃない。
こんなに暗くなる空じゃない。



「─…太陽だよ。」