キミ色

完全に胸の中で何かが壊れた。
パリンと音をたてて、壊れたモノ


そのモノとは…何?


確認なんかしなくても分かる。
だって、俺の左胸がひりひりと痛み出してきたからだ。
それは、紛れもなく俺の心だった。


頭の中に浮かぶ言葉…
どうして、どうして、どうして?


どうして、蓮が花音のことを知ってるの…?


完全に停止してしまう俺の思考、、
まさかだった…


まさか、蓮の口から聴くなんて…



今、目の前にいるのは…誰?


何度瞬きしても、映る景色は同じだ。
目の前にはそれが現実だ、と訴えるばかりに蓮が見えた。


そう、今目の前にいるのは蓮だ、、
時雨ではなく、蓮…、列記とした俺の彼女だった…。




「──…なんで、、、?」



平常心なんか保てる訳もなく、俺の感情は落ち着かなかった。
今、そう蓮に聴いているのにも関わらず、実は何も聴きたくない自分がいた。



蓮…
出来れば、嘘だと言って欲しい。
俺はどんな嘘でも騙されるから。


今さっき言った人なんて知らない、って笑って俺を安心させてよ?
いつもの俺の大好きな笑顔でそう微笑んでよ?