すると、蓮は意外な一言を発したんだ…。


「花火、櫂には似合わないから…」



似合わない、、?
意味がわからない。


俺に花火は似合わない?
勿論、俺は疑問をぶつけた。


「何で?」



「…だって、、」


あなたはその答えを、何を想って言ったのですか…?


俺に言ったその言葉に一体何を期待して言ったのですか、、?



その言葉の裏側に、どれだけの不安を募らせて、、



蓮…
キミは強かったね、、、
でもね、、
時には、弱さだって必要だったんだよ…




「…だって、花火の中には花音さんがいるんじゃない?」



さらっと流して言った言葉は、気持ちのいい潮風に身を任せ俺の耳にきちんと届いた。



波が寄せては返す。
夕日が、海に溶け込んでいく。



そんな海の前で、蓮はキミの名前を言った。


蓮の綺麗な声で、キミの名前は呼ばれたんだ―…。


紛れもなく、蓮の口から…



“花音”



と、たった3文字だけど、知っていないと出てくるはずのない言葉が放たれた―……。





蓮…
あなたは、この時どんな答えを期待していましたか、、?



世界一強がりだったキミは、俺の言葉を聴いて本当に心から笑ってくれていましたか―……?