急いで音楽室に向かったものの、私たちは授業に少し遅れてしまった。
「ちょっと、響夜!遅いじゃない!なにしてたのよ!?」
萌瑠ちゃんが響君を肘でつつく。
「ええ、まあ…色々と…。」
「なに誤魔化してるのよ!?いいから言いなさい!」
「め、萌瑠ちゃん」
「あら、愛希姫、なぁに?」
萌瑠ちゃんは にこっ と笑いこちらを見た。
「あ、あのね、えと、忘れ物しちゃったの!」
まさか響君に助けてもらってから抱き締められてたなんて言えるはずもない。
「ふぅん…、ならよかった」
萌瑠ちゃんは怪訝そうに首を傾げながらも頷いてくれた。
ふぅ、よかったー…

