それは‥‥‥




卓哉だった‥‥‥。






「よぉ、卓哉じゃねぇか。お前、約束のモンは準備できてるんだろうな?」




約束のモノ‥‥‥?


何だろう‥‥‥?





「あぁ、できてるよ。」


「よし、それじゃあ、よこせ!」



「待て。その前に、その子を離してやってくれねぇか。」



「‥‥いいだろう。」






あたしは離された途端に卓哉のもとへと走った。



「あんた、何もされなかったか?」



「うん‥‥、大丈夫。」




なぜか涙が出てきた。




「よしよし。もう大丈夫だから。」



「‥‥うん。」





「おい卓哉、例のモンを渡せ。」



「あぁ‥‥。じゃあ、いつもの場所に。」






卓哉は男達に連れていかれた。



姿が消える直前に卓哉は、そっと‥‥、手を振ってくれた‥‥‥‥‥。