美喜の中では夫はまだ生きていた。その彼が生きていればいるほど、自分自身がつらくなるのはわかっていた。けれど、どうやっても彼を消し去る事なんて出来ない。弱い自分の中に生まれた矛盾。矛盾は全てを無に帰したいと考えていた。