社長の溺愛




俺の予想はおおいに外れた



次の日の朝、可愛い仔猫ちゃんがストレートの髪をボサボサにしたままキッチンに現れる



「おはよう」


「…んぅ…おはよ…」



若干寝惚けながら返事をする彼女に愛しさが込み上げる


「ふわぁ…」


可愛らしい声を漏らしてあくびをすると「お顔…洗る」と単語を言い残し、廊下に姿を消した


なんであんなに翼は可愛いのか…


もし、翼が俺から離れようものならそれこそ俺は呼吸困難に陥るな…



翼は俺の心臓だからな



フライパン片手にこんなことを考えてるなんて誰が思うだろうか


まぁ仕方がないことだ、翼が可愛いんだから



「慎?」



突然現れた彼女が不思議そうな顔をする


「ちゃんと顔洗った?」


「…うん、洗った」


「どうした?なんか聞きたいことでもあるのか?」


あまりにも疑問符を浮かべる翼に質問をしやすいように促すと、コクンと頷いて



「考え事してたの?」


とこれまた可愛らしく首を傾げた