社長の溺愛




素直で純粋な彼女はすぐに伝えたかったんだろう


瞳に恋の色を浮かべながらそう言った―――






…………――――




「ってことがあったんですよ、だからもう、あは~ん的な?」


よくわからない‘的な’表現をする南月は、俺の顔を見て小さくため息をつく



「もしかして、大好きだって言ってあげなかったんすか?」


…ゴフゥッ……ドストレートに急所をついてきやがって…!


お前の言葉は針か!槍か!


なんて言えるわけもなく



「イエス……」



とかいって南月の真似をしてみる



「はぁぁぁああぁ…」



随分と長く大きい盛大なため息を存分に吐くと、ふわふわした金髪をかき上げる目の前のイケメンくん


それから息を吸うとぶわっと吐き出す


「翼にとって大好き以外のものは全部、拒絶と一緒なんすよ!

慎さんに大好きって言ってもらえなきゃ悲しいんすよ!


だから…なんて言うか…


普通のひとでいうフラれた…みたいな、


イヤ、別に翼が普通じゃないってわけじゃなくて


なにが言いたいのかっていうと翼が…


あぁ、もうっ!イライラする!」



えぇ……


………ヤンキーキレる。


イケメンヤンキーがマシンガントークをしたと思ったら突然キレるって…