社長の溺愛




すぐにでも意識を失いそうな彼女の身体を支える



「し…ん…慎…」



やっと唇を離す


涙目で背もたれに寄りかかる彼女が一生懸命に何かを伝えようとする



「どうして…苦しいのするの…?」



「ごめんな、苦しかったな」


「やっぱり…怒ってるの…」




相当苦しかったのか、翼は勘違いをし始めている



親指の腹で目尻にたまった水を拭おうとすると、ビクッと反応した



「怒ってないよ、ただ……」


「なに…?………あたしのことが……嫌い?」


「っ!違うよ、全然違う…好きだから、だから苦しいのしちゃったんだよ」



「好き……」


「そうだよ、ごめんな苦しくさせて」