社長の溺愛




きゅん…というのだろうか


そういった甘酸っぱい感情が胸に広がる


ほんの数秒だけ触れた唇は惜しくも離れていく



目を開けるときょとんとした表情の彼女がいる



クス……



俺がどんなに君のことを愛してるか


君は知らないんだろうな…



切なさと甘酸っぱさで胸が絞められるようだ



小さい顔に手のひらを這わすと嬉しそうに目を瞑る



この可愛い表情を見るたびに



俺のなかには独占欲や介護欲、抑えられない感情が渦をまく



綺麗な形の唇……



再び二人のそれが重なった



「し……ん…?」



優しく、優しく


ゆっくりと啄むように、唇を離さない



初めてのキスの仕方に息ができないのか、翼は俺の肩を叩く



うっすらと開いている瞳は苦しいんだろう、濡れていることがわかる