社長の溺愛




しばらくしていつものように二人で朝食を食べ、翼は制服を、俺はスーツを着て外に出る準備をする



「もう準備はいいか?行くよ」

「うん」



しっかりと返事を確認して、手を繋いで一緒に部屋を出る



『手を繋ぐ』ことはもう二人の間では当たり前で、外に出る時は必ずすることになっている



まぁ、少しの下心くらいは出ても仕方ない……




ガチャ…



車に乗り込み、朝の忙しい道路へと向かってアクセルを踏んだ



「あ……!」



もうすぐ学校というところだった


それまで静かに音楽を聴いていた翼が声を上げた



「今日は4時間なの、知ってた?」



首を傾げて俺に答えを求める



「あぁ、ちゃんと聞いてるよ」


「よかった…」


「幸弘からだけどな」


「……………」