社長の溺愛




彩加が………


そういえば大学では海外選考をしていた気がする



「しばらくはこっちで暮らすので、……色々とよろしくお願いしますね」



「あぁ、よろしく」


「じゃあ…とりあえずこちらを」



それから仕事上の話し合いをいくつかする



チラチラと胸元をいじるのが気になったが放っておく



あまりプライベートに関わりたくない気がしたからだ




「では、今日はこれで」


「あぁ、また後日に」




応接室には俺たち二人しかいないためか、急に雰囲気が気まずくなる


足早にそこから去ろうとする



「ねぇ!慎……」


行かせないとばかりに背中に飛んできた声



「ここは会社だ…名前では呼ばないでくれ」


「………ごめんなさい…ただ…」


「早くしてくれ」


「今、彼女…とかいるの?」



ものすごく嫌な予感がした


否、予感なんかではなくて、胸がざわつく感じだ