ギャグの渦中にいる幸弘は逃げられないことを理解すると開き直ったようで
ソファーにどかっと座り込む
「なんで黙ってたんだ、あ?」
「口調が昔に戻ってんぞ」
「俺はいいんだよ、なんでだ?」
口を尖らせた馬鹿は「なんでっても~」と呟く
「だってぇ~」
「キモいからやめろ」
「チッ…っせーなぁ」
聞こえてんぞおい、舌打ちにうるせーだと?
もともと気長ではないほうの俺はキレる寸前をキープしている
それに気づいた幸弘は焦ったように口を開く
「忘れてたんだよ!ド忘れっていうやつ!」
「へぇー…ド忘れねぇ、お陰で俺は秋也に教えて貰うハメになったんだけどなぁ…」
「悪かったって!翼ちゃんのことで頭が一杯で秋也に言うことしか考えてなかったんだよ!」
ふーん……
翼のことで頭が一杯ねぇ…
まったく違うところに反応した俺に幸弘が言う
「つーか、なんで翼ちゃんの時は怒んねぇのに…!」
逆ギレか…?!

