社長の溺愛




「おっはよーござ~すっ!」


出社早々、社長室に現れた秘書


ふざけた挨拶しやがって


そのバカな秘書は能天気に昨日の女の話を披露する



「いい身体してんだよな~、まぁ声がちょっとな、もうちょっとイヤらしいほうがな~」


何をペラペラと…!



「おい、幸弘…!」


「はーい、なんでしょーか社長ぉ?」



気色悪い返事に顔をしかめると「なんだよ」と拗ねた様子を見せる



なんだよじゃねぇよ



大事なこと黙ってやがって…!



「お前何で黙ってたんだよ、葛城南月が男だってこと…!」



すると幸弘はヤバイとでも言うように顔を歪め、逃げようとドアに向かって走ろうとする


やれやれ…




もう奥の手を使わせるのか…




「翼に嫌われてもいいのか…?」



俺としてはありがたいがな、と密かに穂くそ笑むと膝から崩れ落ちる幸弘


「………すいませんでした…」


まるでギャグだな