社長の溺愛




「南月くんね、わかったわかった」



「‘くん’いらないっすよ、社長さん」



なんだかむかつく言い方をするイケメンこと南月…


俺はこんなやつと会おうとしてたのか


俺が黙っていると南月は何故か屈託のない笑顔をみせた


「はぁー」と大きく息を吐くとそれに続ける



「やっぱ無理っすよ、慎さんには敵わないみたいです」



「…………」



いきなり何を言うんだこいつは…


しかもそれだけ言うとさっさと踵を返して校舎へと進もうとしている



「ちょ…まだ話し…」



俺がまだ話終わってないことを言おうとするとくるっと振り返り



「俺は翼のボディーガードなんで、襲ったりしませんよ」



と無邪気に言い捨てていった



なんだあのヤンキー……



どんどん小さくなっていく金髪にため息を吐いた