「翼の…どーも、噂のなっちゃんです」
ほんの少しだけ腰を曲げたイケメンくんは陽気に挨拶をする
なんか気に食わねぇなぁ…
「翼、俺はなっちゃんと話したいことあるから教室入りな」
しゃがんで目線を合わせて言うと俺とイケメンくんを交互に見て呟く
「わかった、また後で…？」
「あぁ、また後でな」
ポンポンと頭を撫でてやると嬉しそうに笑みを溢す
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
翼はしばらく俺を見つめると校舎へと足を進めた
翼は学校に行く前に見つめる習慣があるようで…
この間聞くと
「学校じゃ慎に会えないの…だからね、慎の充電なの」
とそれはそれは可愛くて
あまりに可愛いから理性がはち切れるんじゃないかってほど
その時のことをきっと俺はだらしない顔で思い出していたんだろう
しびれを切らしたかのようにイケメンくんが声を出す
